軽井沢は噂に違わぬ涼しさだった。避暑地とは、よく言ったもんだよ。
できることなら、あの地を離れたくなかった…。
8月11日(月)
朝10時に三鷹駅前に集合して、3人で一台の車に同乗し、目的地へ向かった。練馬から関越自動車道に乗ろうと環八に出たら、ものっすごい渋滞にはまってしまった。まだ帰省ラッシュには早いだろうに、かなりスタックしてしまってちっとも動かなかったので、横道にそれてクネクネと住宅街を抜け、大泉から乗ることに。そしてようやく高速にのれたときには11:20になっていた。それまでの約1時間半、おもな話題は行ってきたサマソニのこと。って、ほとんど私がしゃべっていたんだが。
11:35、ようやく三芳のPAに到着。高速にのってしまえば、楽なもんだった。混んでいたのは乗り口だけだったようだ。このPAで、あと2人と合流した。
少し休憩して、お昼は横川のSAでとることにし、再び車で走り出す。徐々に風景に緑が多くなってくる。
約1時間後、横川SAに到着。みんなで“山のきのこのよくばりセット”を注文し、炭水化物をたらふく胃に入れた。
13:30ごろ、横川を出発。ここから軽井沢まではすぐだ。
高速を降りて、今回お世話になった別荘の持ち主、M田さんとスーパーで落ち合った。あの辺りには大きなスーパーがここしかないということで、駐車場も店内もとても混み合っていた。BBQ用のお肉は既に仕入れてあったので、ここでは野菜や海鮮もの、焼きそば、お酒などを大量に買った。
そして一路、M田さんの別荘へ。
初めてだったのは、軽井沢へ行くことだけではなかった。別荘なんてもんに泊まること自体、初めてだった。そんな人間もここにいるというのに、あのエリアにはたくさんのおしゃれな別荘が立ち並んでいた。「本当に、木立の向こうに家が建ってるんだー」なんぞとおのぼりさん状態になっていると、三角屋根をしたM田さんの別荘に到着した。
買ってきた食材を下ろして冷蔵庫に入れ、私とKちゃんの女2人は2階の小部屋へ通された。今回、我らは総勢5名で押し掛けたが、M田さんの別荘にはベッドも布団もきちんと人数分用意されていて驚いた。
お風呂の用意をして、みんなで千ヶ滝温泉へと向かった。普段の平日は大人1,100円で入れるのに、この時季はオンシーズンということで1,500円と表示されていた。なのに、回数券を買えば一人600円で入れる。不思議な値段設定だ。
ここのお湯は無色透明で臭いもほとんどないが、ちょっとヌルヌルしていて肌に良さそうなお湯だった。この地では、夏でも湯上りに汗をかかずに済む。
17時に再び集合して、別荘へ戻った。
戻ってからは、即、BBQの準備。男性陣が外で火の用意をしている間、我ら女性陣はひたすら野菜を洗って切った。
18時、乾杯! まだ明るいうちから酒を交わし、上等な肉を食らうなんて…、堪らん。しかも、湿度が低くて快適! 最高である。
BBQに飽きたところで、A野さんが手土産に持ってきてくれたホワイト餃子が登場。ちょいと焦げ目が多くついてるけど、人が焼いてくれたものは何でも美味しい。そして私が三浦屋で仕入れていったチーズとクラッカーも出し、最後に焼きそばで〆た。
初日の夜からよく食べてよく飲んだが、よくしゃべりもした。本来の目的は男性陣のバンド合宿だったんだが、楽器を持ってきたのは結局一人だったので(しかもスネアとタンバリンのみ)、単なる軽井沢旅行になってしまった。しかし、集まったのはメタル&ハードロック仲間だったので話題は音楽中心。ロックをBGMに流しながら、ある者はアンプ内蔵ギターを弾き、ある者はタンバリンを叩き、ある者は口でギターソロを奏で(それはオレ)、ある者はイスやテーブルをドラムがわりに叩いた(それもオレ)。
あっという間に22時になってしまったので、近所迷惑を考え、撤収。酔っ払ってはいても、基本的にみんな働き者なので、片付くのが早い。
中でまた少し飲んでから、24時に布団にはいった。
8月12日(火)
10時起床。ついさっきまで飲み食いしていたような気がするのに、朝食(というかブランチ)の用意をする時間だ。
外に出ると、まぁなんとも清々しいこと! 緑が輝いて、空気が新鮮で、こんなところで朝ごはんを食べられるなんて贅沢!
おまけに、ここの朝食は豪華だったー。ホテルの朝食ビュッフェ並みである。
しかし、ホテルでは起こり得ないことが起きた。銀紙の栓をむいたばかりのケチャップが、口から血を噴き出していたのである! これには爆笑した。この垂れ具合が何とも可笑しい。楽しい気圧の勉強だった。
そして何より嬉しかったのは、男性陣が当たり前のように進んで料理をしてくれたこと! 女性陣はできたものをキッチンから外に運ぶだけでよかった。ますます理想的な朝食だ。
時計も気にせず、ゆっくりと朝食を摂るなんて滅多にできないこと。思いきり満喫した。
ダラ〜ンとしていると、電気屋さんが来た。アンテナが壊れていたためにテレビが見られなかったので、それを修理しにきてもらったらしい。その作業の間、別荘の周りを散歩した。目の前の通りがずっと木の陰になっていたので、歩いていても涼しい。太陽は高くなっていたので、日向はやはり暑かったが。通り沿いには何カ所か「売地」の看板が立っていた。買えるものなら買いたい…。
12時を過ぎたころ、電気屋さんが帰って行った。これでオリンピックも見られる!
とはいえ、そのまま家の中にいたら勿体ないので、みんなで旧軽井沢銀座へ行った。行きの車中で流れたRainbowやDioが、まったく軽井沢の街並に似つかわしくなかったな…。
商店街は日陰がなくて暑かったが、それでも心地よい風は吹いていたし、湿度が高くないので東京なんかよりもずっと楽である。
名物だというそば団子を食べ、写真屋さんでジョン・レノンや天皇陛下と美智子さまの写真を見、ミカドコーヒーで名物のコーヒーソフトを食べた。またここでも食べている我らである。
ドレス屋さんの店頭にウェディングドレスが飾られていた。“70%OFF”とかいう張り紙がしてあったのを見たA野さんが、「お前もあのマネキンの隣に立っとけ! “+7,000円で私も付いてきます”とか何とか書いた紙持ってさ!(笑)」と私に向かって言った。「なんでドレスよりも安い値段で私を付けなきゃならないんだよ!」「つーか、余計に誰も近寄ってこないんじゃない?」などと、屈辱的な会話を笑いながら交わし、沢屋でジャムを買った。
そして白糸の滝へ向かった。ここは本っ当に涼しかった!! 滝の入口付近は寒かったくらいである。
観光バスが何台か停まっていただけあって観光客は多かったものの、そんなことは気にならないくらいの涼しさで、感激だった。
全員で記念撮影をして、M田さんだけここでお家へ帰った。
残った我らは、アウトレットへ行くはずだった予定を変更し(わざわざ混みまくってる所へ行くまでもない)、牧場へ行ってみた。ヤギや馬を久々に生で眺めた後、お土産屋をのぞき、そのまま鬼押出しへ上がった。数日前に浅間山が活動しはじめたらしかったので、もくもくと立ち上がる煙でも見られたら…と思って行ったんだが、生憎ガスがかかっていて山の形は見分けられなかった。
M田さんがシャンパンをごちそうしてくれるというので、帰り道に私のお気に入り、ヴーヴ・クリコを買って帰った。
16:00ごろに別荘へ戻り、そしてまた全員で温泉に入りに行った。この日は、塩壺温泉ホテルに連れて行ってもらった。湯船はこっちのほうがこぢんまりしていたけれど、庭が手入れされていてきれいだった。でも、露天風呂がぬる過ぎたのは残念だったな。
17:30にロビーに集合し、別荘へ。
前日のお肉がまだまだ残っていたので、2日連続でBBQとなった。私は飲めればいいので異論はない。
しかし、みんなの箸は昨日よりも進んでいない。所詮、みんな中年だからな〜(笑)。BGMも昨日より抑えめで、60〜70年代のロック&ポップスだ。
途中で、翌日仕事があるというTさんが帰った。腹ごなしに始めた花火でお見送り。それにしても、手に持って振り回せる花火をやったのは、子供のころ以来じゃないだろうか。花火って、いくつになっても楽しめるわ。
この夜のデザートは、Kちゃんが持ってきてくれたマスカットを求肥でくるんだ上品な和菓子だった。季節限定品をおいしくいただいた。
そして22:30になったので、撤収。
またさっさと片付け、洗い物も男性陣が済ませてくれてから、リビングでDVDを見た。さっきのBGMの流れで、70年代のロック&ポップス(Jackson 5やジミヘンなどなど)のオムニバスDVDを見た後、ジェスロタルのライブDVDを再生した。
が、私を含む半分以上が30分くらいしたら眠りに落ちてしまったので、途中で切り上げて24:30ごろベッドにもぐりこんだ。
8月13日(水)
またまた気持ちのいい朝である。寝汗なんてものとは縁遠いこの環境がたまらなく幸せだ。
8:30に朝食の準備を開始し、「また飯かー」と前日と同じセリフを吐きながらも、またもや豪勢な朝食が用意された。
10:00頃までゆっくりと味わい、片付けた。ここでまた一人、一足先にF君が帰っていった。
さて、ここから少し、残った3人で一宿一飯の恩義として労働した。と言っても、ゴミをまとめて、庭の枯れ葉を掃き集めただけだったが…。
というわけで、この2泊の間に出たゴミがこれ↓。
プラゴミが多いのはまだしも、ワインボトル6〜7本に、数えきれないくらいのビールの空き缶…。この空き缶のうち、半分くらいは私が消費したものと思われる。ワッハッハー。
労働を終えてリビングでオリンピックの水泳と柔道を見ていると、雨が降り出した。大粒の雨である。でも、空は明るい。しかし、待てども雨が止まない。見切りをつけて、雨の中を13:30に出発した。
M田さんには本当にお世話になった。来年もぜひ、世話になりに行きたいもんである。
上りの横川SAで、有名な“峠の釜めし”を食べた。具だくさんで、炊き込みご飯の塩梅もちょうどよくて、美味しかったぞ。それにしても、何もしてないのに、よく食べられるもんである。
16:20。帰りはまったく渋滞にはまることなく、西荻窪駅に到着。お金の精算をしてから、A野さんとKちゃんにさよならした。
家に着いてから洗濯機を回したが、動きながら気付いた。軽井沢での3日間にかいた汗よりも、東京に着いてからの30分間にかいた汗のほうが遥かに多い!
「なんてこった…、軽井沢に戻りたい」と思った東京での夕方だった。


